気候変動とマーケティング ~ 2024・猛暑内でのトレンド

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気候変動とマーケティング ~ 2024・猛暑内でのトレンド

近年、「気候変動」という言葉をよく耳にします。地球温暖化の影響だと言われていますが、日本国内でも真夏に最高気温の記録が更新されたというニュースをよく聞きます。実際に地球温暖化が原因かどうかは諸説ありますが、ここでは原因究明には深入りしません。ただ、2024年8月には日本国内の各地で観測された気温が40℃を超える日も多く、「真夏日」(気温30℃超え)、「猛暑日」(気温35℃超え)に加えて、「酷暑日」(気温40℃超え)という用語も使われるようになってきました*1。

このような「気候変動」により、社会は様々な影響を受けていますが、これをビジネスチャンスと捉え、マーケティングに活かそうとする企業も存在します。特に「気候変動」の影響が顕著に表れていると思われる夏の暑さの中で、どんな商品が売れるのか、また、逆に暑さの影響で売れなくなった商品は何か。それを見ていくことで、企業は「気候変動」の影響をいかにしてビジネスにポジティブに捉えられるか、自社の強みを活かして社会に貢献できるか、といったことを考えます。

「気候変動」とは

「気候変動」の定義

気候変動とは、何十年、何百年、またはそれ以上という長期的な視点で、地球全体や特定の地域の気候が変動することです*2。気候変動には自然の要因と人間活動による要因が含まれ、近年の気候変動は主に人間活動が原因とされていますが、本稿では原因分析には深入りしません。ただ、過去の観測データを見ると、現在の地表の平均温度は1800年代後半と比べて約1.1℃上昇しており、今後20年間でさらに1.5℃上昇すると予測されています*3。
私たちの日常生活の実感からしても、夏の暑さが厳しくなり、日本国内では40℃を超える日が増え、全体的に気温が上がっているように感じられます。このように、気候変動の結果として気温が上昇していると言えるでしょう。

気候変動が社会にもたらす変化

気候変動は自然環境に様々な影響を及ぼします。気温の上昇は暑い日の増加だけでなく、今まで観測されなかった気象現象や生態系への影響を引き起こします。その結果として、人々の日常生活にも対応が求められます。
例えば、日本近海で獲れる魚の量が変化しているとされるのも、気候変動の影響だという説があります*4。また、近年、熊が住宅地に現れるニュースも増えていますが、これも気候変動により、熊の食料が減少し、人里に出没するケースが増えていると言われています。このほかにも、食材確保の問題や、農業・漁業への打撃による価格高騰で、かつては手軽に食べられた料理が高級料理に変わるなどの事例が増えています。
このように、気候変動は気温の上昇だけでなく、自然環境や生態系の変化を通じて人間社会にも大きな変化をもたらしています。以下では、この変化がビジネス環境にどのように影響を与え、マーケティングに携わる人が何を意識すべきかを考えていきます。

【Tips】
気候変動は様々な原因が考えられるが、現代は地球全体の気温が上昇している傾向があり、今後もしばらく続くと考えられる。
気候変動の影響は、単に暑い日が増えるだけでなく、自然環境や生態系に影響を与え、人間社会にも変化をもたらしている。

気候変動とマーケティング

「気候変動」下のヒット商品

従来から、暑い夏にはエアコンやビール、清涼飲料水の売上が伸びると言われてきました。この傾向は今後も大きく変わらないと考えられます。マーケティングは様々な市場要因が関係しますが、物価高や省エネルギー志向、健康志向など、トレンドを反映しつつも、暑い夏に売れる商品は変わらないでしょう。
一方で、年々暑くなる夏に対応したニーズや、熱中症対策グッズも進化しています。近年登場したヒット商品をいくつか挙げます。

冷感マスク:花粉や感染症対策としての機能を持ちながら、ひんやりとした冷感で体温上昇を防ぐマスクは、コロナ期間中にマスク習慣が定着した人たちの間で流行しました。
ハンディファン、ネックファン:持ち運び可能なハンディファンや、首にかけて外出できるネックファンは、モバイルバッテリーの普及とともに人気が加速しました。
塩飴、塩タブレット:水分補給とともに塩分補給が重要であるという知識が普及し、塩分を含んだ菓子類がヒットしました。

このように、近年の暑さ対策グッズは、消費者ニーズやトレンドに対応した商品がヒットしていることが分かります。今後も、さらに消費者インサイトを深掘りし、暑い時期にどんなニーズが発生するかを意識した商品開発が求められるでしょう。

今後の傾向

ヒット商品の傾向は上述の通りですが、今後は暑さが消費行動にどのような影響を与えるか、別の視点からも考えてみます。
暑いことで外出頻度やアウトドア活動が減ると、「巣ごもり消費」が再び活発化する可能性があります。買い物はECサイト、エンターテインメントはオンライン動画や音楽配信サービスといった消費行動が増えるでしょう。
また、夏特有の「ゲリラ豪雨」についても、予測サービスの需要が期待されています。AIの進化により、予測精度が高まり、社会的ニーズやビジネスチャンスを生む可能性があります。

【Tips】
暑い夏に消費者が求める商品やサービスを深掘りすることが、成功につながっている。
今後も消費者の動向を注視し、ニーズに的確に応える商品やサービスの開発が重要。

まとめ

「気候変動」は自然環境だけでなく、社会に多くの変化をもたらし、マーケティング活動にも影響を与えています。成功する商品やサービスを開発するには、気候変動による環境変化に加え、それが消費者の心理やニーズにどのような変化をもたらしているかを注視することが重要です。マーケティングの基本である「消費者理解」は、気候変動下でも変わりません。継続的に消費者の動向を追い、得られたインサイトを活かして、暑い夏に成功するビジネスを生み出していただきたいと思います。

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