知らないうちに権利侵害になるかも!今さら聞けない!?アンブッシュマーケティングとは

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知らないうちに権利侵害になるかも!今さら聞けない!?アンブッシュマーケティングとは

突然ですが、アンブッシュマーケティングって言葉、知っていますか?少し聞きなれない言葉かもしれませんが、主に大きなイベントが行われる際に、広告業界やマーケティング関係者の間で頻繁に使われている言葉です。この言葉の意味を、きちんと理解しておくと、正しいプロモーションが出来ますが、知らないでいると思わぬリスクを抱えてしまうことになりかねません。
ということで、今回は知らず知らずのうちに思わぬリスクを抱えてしまわないように、アンブッシュマーケティングについて説明させていただきます。

そもそもアンブッシュって何?

アンブッシュというのは、英語のambushから来ていますが、待ち伏せという意味です。bushというのが草むらを意味しますが、もともとで言うと、草むらで待ち伏せをするようなところから出てきた言葉です。具体的に言うと、オリンピックなどの大きなイベントがある時に、そのイベントが行われることを見越して周到に準備をしてゲリラ的なマーケティングを仕掛けることを指します。
では、ゲリラ的なマーケティングって、一体、どんなことを指すのでしょうか?例えばオリンピックが開催される時期にその機運に便乗して「メダルキャンペーン」をやるようなことが考えられます。
しかし、「メダルキャンペーン」の全てをアンブッシュと呼ぶわけではありません。アンブッシュであるかどうかは、キャンペーンを行う主体者が権利を正当に持っているか、持っていないか、ということで分かれます。公式に権利を持っていない、つまりそのイベントの権利元と正式に契約していない企業がそのイベントに便乗して、商品の販促や認知向上を行うことをアンブッシュマーケティングと呼ぶのです。
実際に20年前ほど前のオリンピック開催時に、正式な権利を持たないeコマース大手が「メダルキャンペーン」を打ち出したことがありましたが、これはまさにアンブッシュマーケティングの典型例でした。
古くはクレジットカード会社どうしの争いや、スポーツメーカー同士の争いなどが有名ですので、興味のある方は検索してみると色々な情報が出てきて、とても面白いのですが、1980年代や90年代は訴訟沙汰になるようなこともありました。

【Tips】
・そのイベントの権利元と正式に契約していない企業がそのイベントに便乗して、商品の販促や認知向上を行うことをアンブッシュマーケティングと呼ぶ

関連法とグレーゾーン

アンブッシュマーケティングを規制する関連法として、商標法や著作権法、そして不正競争防止法があります。このうち、商標法や著作権法はルールが明確で、一言で言えば「無断使用・真似はダメ」ということですから、オリンピックで言えば例えば五輪のエンブレムがこれらの法律によって保護されています。比較的分かりやすいですし、さすがに堂々と権利を持っていない企業が何の断りもなく五輪のエンブレムを使って大々的なプロモーションを行うようなことは過去にもほぼありません。
過去のアンブッシュ事例でも良くあったのは、明確に保護されている商標や著作物は使っていないものの、そのイベントを匂わせるような言葉を巧みに使うケースです。よく言われるのは「この夏行われる、最高峰のスポーツイベント」や前述した「メダルキャンペーン」などです。一見、明確にそのイベントを指す言葉が使われていないので良いのでは?と思ってしまうかもしれません。商標法や著作権法で保護されていない言葉を使っていたとしても、ある特定のイベントに便乗する意図があると見なされてしまえば、それはアンブッシュマーケティングに該当してしまいます。こういったケースの根拠法となるのが不正競争防止法ですが、どこからどこまでが不正競争とみなされるのか判断が難しく、グレーゾーンも多くあるため、なかなか分かりにくいのが現状です。

【Tips】
・アンブッシュマーケティングを規制する関連法として、商標法や著作権法、そして不正競争防止法がある
・商標法や著作権法で保護されていない言葉を使っていたとしても、ある特定のイベントに便乗する意図があると見なされてしまえば、それはアンブッシュマーケティングに該当する
・不正競争防止法は、どこからどこまでが不正競争とみなされるのか判断が難しく、グレーゾーンも多くあるため、なかなか分かりにくい

グレーゾーンの濃淡・どんなことに気をつけるのか

判断が難しいグレーゾーンですが、その中での濃淡はどういうところに判断基準が置かれるのでしょうか?例えば、オリンピックが行われる直前に、金メダルキャンペーンをやると、いかにもアンブッシュマーケティングになりますが、これが開催されていない時に行われるとどうでしょう?
また、「4年に一度の祭典」という言葉は、言うタイミングによって、サッカーのワールドカップを指すのかオリンピックを指すのか変わってきます。もしくは、炎が燃えているだけでオリンピック直前だとひょっとすると「聖火」を連想する人がいるかもしれません。
では、どういったことを頭の中に入れておくと、リスクの判断がしやすいか、公式を作ったので、ご覧ください。

アンブッシュマーケティング

その(選手/場所/モノ)が持つそのイベントへのイメージ×時期×表現方法+明確な意図が含まれるかどうか=アンブッシュマーケティングであるかどうかです。グレーゾーンの中で、この公式を使って、仮にそれぞれ数値換算した時に大きいものは極めて黒に近くなり、小さいものは白に近くなります。従って、数値換算した時に黒に近いものほど、リスクが高くなります。
使う人や場所、モノなどが、そもそもそのイベントを想起させるものであり、イベント中に、明確な意図を持って、表現にも工夫をこらしながら行っていたとしたら、それは公式な権利元からクレームが入り、場合によっては訴訟リスクにも繋がりかねません。また、今の時代、そうしたことをゲリラ的にやってしまう企業は、社会的責任を果たしていない、ということでレピュテーションの低下を招きかねません。それを避けるためにも、先ほどの公式を頭のどこかに入れておいて、その都度計算していくことは、リスクを避けるうえでも、とても大事です。
また、アンブッシュマーケティングを行う、という明確な意図がなくても、知らずにリスクを抱えてしまうことのないよう心がけると良いと思います。

【Tips】
・アンブッシュマーケティングの濃淡を計る公式は、その(選手/場所/モノ)が持つそのイベントへのイメージ×時期×表現方法+明確な意図が含まれるかどうか=アンブッシュマーケティングであるかどうか
・アンブッシュマーケティングを行う、という明確な意図がなくても、知らずにリスクを抱えてしまうことのないよう心がける

アンブッシュマーケティングの弊害とは?

ここまでは、アンブッシュマーケティングのリスクについて、企業や代理店の立場に立って説明してきましたが、このアンブッシュマーケティンが横行してしまうと、どんな弊害が起こってくるのか、別の視点で考えてみたいと思います。
正式に権利を持っていない企業によるアンブッシュマーケティングが頻繁に行われてしまうと、当然ですが、正式に権利を持っている企業は怒りますし、場合によっては、協賛しなくなってしまいます。そうすると、困るのは権利元なので、権利元は協賛社の権利を守るために、アンブッシュマーケティングに対処します。このこと自体は、「まぁ、そうだろうな」と思われると思いますが、大事なのはこの先です。
権利元から協賛社がいなくなると、そのイベントを行うための資金が十分に集まらなくなるので、イベントが出来なくなります。そのイベントは大きなものであればあるほど、多くの選手、出演者、ファンが待ちかねていますので、そのイベントが出来なくなってしまうのは、社会的にもかなり大きな損失となります。コロナ禍の時に多くの人が経験しましたが、楽しみにしていたイベントが中止となってしまうのは本当に残念なことですよね。また、大規模イベントの経済効果はよく語られますが、そういった経済効果もイベント自体が成り立たなくなってしまうと、当然なくなってしまうのです。
つまり全体視点でみた場合、アンブッシュマーケティングが与えるマイナスの影響は極めて大きく、そのリスクは企業側からも社会的な観点からも、正しく理解して取り除くべきものなのです。
意図的でも、うっかりでも、アンブッシュマーケティングをしてしまうと、どういった影響を及ぼすのか、少しでも心にとめていただけると良いかと思います。

【Tips】
・アンブッシュマーケティングが行われた結果、権利元から協賛社がいなくなると、そのイベントを行うための資金が十分に集まらなくなるので、イベントが出来なくなる
・イベントが出来なくなってしまうのは、社会的にもかなり大きな損失となる
・全体視点でみた場合、アンブッシュマーケティングが与える影響は極めて大きく、そのリスクは企業側からも社会的な観点からも、正しく理解して取り除くべきもの

まとめ

アンブッシュマーケティング、そして企業が知らないうちに抱えてしまうリスクについて、理解が進んだでしょうか?
正しく理解したうえで、対応を考える、というのは何もアンブッシュマーケティングに限ったことではなく、あらゆることに対して当然のステップだと思います。
アンブッシュマーケティングは、これまであまり分かりやすく語られてきていなかったので、少しでも理解が進み、社会全体として良い循環になることを願っています。
大きなイベントほど、色々と課題もありますが、同時に、待ちわびている人の数も多いので、是非正しく理解してリスクを避けつつ、社会に活力を生むイベントとして成立させていくことが重要です。

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